この度、王子小劇場で行われているガチゲキ2を観劇してきました!
6劇団がシェイクスピアをテーマに行うガチバトル。
私が行った回では劇団鋼鉄村松とMrs.fictionsの対戦でした。
どちらも題材が『ロミオとジュリエット』ということで、楽しみにしながら観てきて、想像以上に楽しめました。
以下感想、レポートです。
※全体感想に関しては具体的なネタバレは避けますが、劇団毎感想ではがっつりネタバレしております。
これから観に行かれる方はお気をつけください!
全体感想
本当に、すごく楽しめました!
私の行ったときにバトルした、劇団鋼鉄村松、Mrs.fictionsの2劇団とも「ロミオとジュリエット」を題材にしていましたが、全く違っていて。
違う中でも同じ台詞を取り入れていて、両劇団とも「ロミオとジュリエット」を題材としているんだと感じました。
思えば他4劇団のテーマは「テンペスト」「リア王」「オセロー」「マクベス」とシェイクスピアの中でも題材はバラバラ。
劇団鋼鉄村松とMrs.fictionsが「ロミオとジュリエット」で被っているんですよね。
勿論違うテーマ対決も楽しめそうですが、観に行った「ロミジュリ」対決の対戦カードが個人的には一番「ガチゲキ!!」で観たかったので、ピンポイントに観劇できて良かったです。
皆違って皆いい。
この「ガチゲキ!!」1公演で2劇団観れますし、1劇団が45分公演なので普段あまり舞台を観に行かない方でも楽しめるのかなと。
20日までやっているようなので、是非とも多くの方に観ていただきたい!
あわよくば劇団鋼鉄村松の「家族がやたら恋愛に理解のあるロミオとジュリエット」の回を観に行って投票してください。
【4月16日追記】
「ガチゲキ2」感想まとめでツイッターの呟きを公式さんがまとめておりました!
こちらネタバレのものも多くありますが、他の方の感想が見れるのでガチゲキ開催中も終わってからでも楽しめそう!
劇団鋼鉄村松感想
概要
劇団鋼鉄村松
「家族がやたら恋愛に理解のあるロミオとジュリエット」
(原作:ロミオとジュリエット)
ストーリー
もしも、ロミオとジュリエットの家族が二人の恋愛にもっと理解があったなら。
全世界が待ち望んだロミジュリ。
スタッフ/キャスト
作・演出:バブルムラマツ
出演:ボス村松、サラリーマン村松、ムラマツベス、
村松かずお、村松ママンスキー、ムラマティ(以上劇団鋼鉄村松)
加藤ひろたか、小山まりあ、日高ゆい(8割世界)、松浦姫(劇団☆東京SaVannaT’s)
劇団鋼鉄村松のテンポ
劇団鋼鉄村松、「ガチゲキ!!」で初観劇ではなく2度目の観劇。
今回舞台『美女と魔物のバッティングセンター』にも出演されていた小山まりあさんが客演されるとのことで観劇してきたのですが、劇団鋼鉄村松という劇団自体もすごく面白い!
原作の「ロミオとジュリエット」をIF話にしたような、まだ劇団鋼鉄村松歴が浅い私が言うのもなんなんですが、劇団鋼鉄村松ならではのユーモア性を取り入れた感じを45分の短い中にぎゅっとまとめてきてたなと!
ごりごり力技でくる感じが好き。その場その場の展開に困惑するけれど、「どうしてこうなった」感が否めない思わず噴出してしまう感じ。
ジュリエット役の小山まりあさんのバルコニーでの独白シーンから始まりますが、冒頭出オチ感がシュールでした。
笑いを堪えるのに必死で、まともにロミオとジュリエットのやり取りを観れない。
馬の面とか上半身裸とかで笑っちゃう辺り私の笑いのツボが浅いのか……。
恋愛を理解すること
キャピュレット家とモンタギュー家、両家どちらが恋愛に理解があるか!ということで争ってますし、公にはふたりの恋愛を応援できないので秘密の結婚式も陰から見守っているという感じ。それだったら普通に結婚式すればいいのに!
周囲が恋愛に理解がありすぎる中、ここでキーパーソンになってくるのがジュリエットの従兄弟ティボルト。
ティボルトはジュリエットに恋心を抱いていますが、恋愛に理解があるのでロミオとジュリエットの恋を応援しようとしています。
しかし、秘密の結婚式で誓いのキスをする際の(応援すると決めたけど……でも……やっぱり……俺はジュリエットが……!)のもだもだ感。たまらない。
ロミオ両親、ジュリエット両親、ロミオの親友マキューシオが盛り上がっている中で嬉しさより悔しさが勝るティボルト。
結局ティボルトはジュリエットを諦めきれず、決闘を申し込みに行くことを決意してジュリエット両親に告げます。
が、ジュリエット両親はロミオとジュリエットだけでなく、ティボルトの恋も応援しちゃうんですよね。
最初、愛娘だけの恋を応援していれば良いのに!と思いましたが、うる覚えですがティボルトのこんな台詞があって彼を責められなくなりました。
「俺は俺の恋愛の理解者でありたい……!」
一人が誰かを手に入れて幸せになっている裏で、誰かの失恋も付きまとっているかもしれない。
恋愛で全員が全員幸せになれることってないんだろうなぁ、と考えさせられました。
最後にとってつけるような余談になってしまいましたが、恋愛に理解があるならパリスの恋も応援してあげてといいたい!w
パリス登場にびっくりして、その後ずっと舞台上にいることを物語の合間合間にふと思い出して可哀想やら笑いそうやらで(腹筋が)大変でした。
14歳の胸を愛しちゃってる伯爵って嫌だなぁ……笑
劇団鋼鉄村松観劇感想
12日19時30分開演の対戦ではMrs.fictionsに負けてしまったものの、劇団の味が存分に出ていて本当に面白かったです!
イメージしていたロミジュリとはかけ離れていましたが、45分で劇団鋼鉄村松らしさがぎゅっと濃縮されていました。
本来のロミジュリらしい人物といえば、ロミオ役の加藤ひろたかさん。普通であることに逆に違和感。
他登場人物はといいますと、ロミジュリ両親は言わずもがな、ジュリエットもラフというか劇団鋼鉄村松らしいというかこやまりさんらしさが存分に出ておりました。
こやまりさんぐうかわ。好き。
笑わせるところはしっかり笑わせてきて、真面目なところはしっかり締める。
この絶妙なバランスが観ていて飽きなかったです。
余談ですが、劇団鋼鉄村松の次回公演のあらすじ見てきました。
キャベティーナは、トマトの代わりにキャベツを投げ合う所沢キャベツの収穫祭!
ちょっとよくわからないです(小声)
Mrs.fictions感想
概要
Mrs.fictions
「毒を飲むより苦しいなんて」
(原作:ロミオとジュリエット)
ストーリー
灰を溶いた水にするめを一晩漬けておくと生イカに戻る。あの恋人達にも、同じ奇跡を。
スタッフ/キャスト
作・演出:中嶋康太
出演:今村圭佑、岡野康弘(以上、Mrs.fictions)
須山造、橘か織、長谷美希(81プロデュース)
葉丸あすか(柿喰う客)
Mrs.fictionsのテンポ
劇団鋼鉄村松先攻、Mrs.fictions後攻でしたが、動と静の対立のようでした。
Mrs.fictionsはすごく静か。
「ロミオとジュリエット」をテーマとしていますが、王道のシェイクスピアの戯曲ではなく、「ロミオとジュリエット」をテーマにバンドを組んだバンドグループのインタビュー場面から物語は始まります。
先攻と打って変わって現代をテーマにした話だったので「ロミオとジュリエット」を思い描いていた私は面食らってしまいました。
劇中、インタビュー場面が何度も繰り返され、淡々と進んでいく。
叫んだり飛び跳ねたり、激しいシーンがない。
先攻が動的だった分、その静かさが際立ちました。
所々で出オチのシュールさであったり、的確なツッコミで笑いを誘うものの、静かな中のスパイスでありそれを前面に押し出してくるような感じではありませんでした。
展開としては終盤で意外性がありましたが、王道ではあります。
Mrs.fictions、まるで小説を読んでいるような気分で観劇しました。
Mrs.fictions感想
最初は出オチの劇団かな?と思いましたが、そんなことはなく。
話の展開がすごく好みでした。
最後のどんでん返しというか!そうくるか!という展開が堪らない。
須山造さん演じる死彦と葉丸あすかさん演じる儚奈のカップルが初々しい。観ててツラいです。
王様ゲーム改め、大公様ゲームで「1番は大公様と一緒に死んでください」から暗転、「付き合い始めました」の報告で、これは「一緒に死ぬって一生一緒にいてやるよ的な展開かな?」と推測してみましたが、見事に裏切られました。
想像を遥かに超えるってこういうことなんですね……
ただ、少し好みじゃないかなと思った箇所もありました。
劇団鋼鉄村松がずっと動くしギャグだしで余計に際立ったのかもしれませんが、「間」が多い。
この間の取り方、人によって好みの好き嫌いが出そうな感じ。
冒頭の取材シーン、舞台に6人いるのに2人しか喋ってないし4人は手持ち無沙汰だよ!?と思ったのと、呑み会場面の好きなタイプを聞かれるところの「間」の長さが特に気になりました。
今回のガチゲキで先攻後攻が逆だったら、もしくは他の劇団と対決だったらまた違う印象を持ったのかなぁと。
気になった箇所もありますが、話の展開が好みと書いたように、物語終盤の「毒を飲んだような……」辺りから「400年前のこと、覚えてますか?」から怒涛の展開にハッとなりました。
「そういうことか!」とずっと考えてた問題が解けたような感覚。
Mrs.fictionsの「毒を飲むより苦しいなんて」、観劇したなという満足感を得られるお話で後味良かったです。
公演概要
演劇バトルフェスティバル「ガチゲキ2」
2014年4月10日(木)~4月20日(日)@東京:王子小劇場
概要
シェイクスピアをテーマに、6劇団が競演するコンペ形式のフェスティバル!
1公演2劇団による「2作品ワンセットのガチバトル」公演。
終演後には観客投票を実施し、即日開票にて勝敗を決定します。
総当たり戦の対戦成績と、特別審査員による投票で、最終日には総合優勝が決定!
参加劇団
劇団だるめしあん
日本のラジオ
こゆび侍
Mrs.fictions
劇団鋼鉄村松
宗教劇団ピャー!!