ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」”烏野、復活!”、お馴染みアイアと遠く岩手まで遠征して観劇してきました。
東京で想像以上に楽しんだハイステ、その興奮冷めやらぬまま初岩手でハイステ2度目の観劇と本場の盛岡冷麺を食してきました。
盛岡冷麺の付け合わせ(具)として梨が乗せられているのが大変衝撃だったのですが皆さんご存知でしたか……!?
久々の遠征、とても楽しかったです!
以下、ネタバレありのハイステ感想レポです。
感想
前回のハイステ、とても楽しみにしていたものの心に引っかかるところが多かったために期待値が上がりきらないまま東京公演を観に行きましたが、心配が嘘のように面白かったです!
プロジェクションマッピングの使い方に前作は苦手意識がありましたが、何故か今回は苦手意識を感じることなく観劇できました。
映像は多いものの、舞台上で役者の生の表情を見やすく映し出すためのハンディカメラ利用であったり、全ての映像が何度も撮り直した結果の“完成品”でなかったのが個人的には良かったのかな、と。(完成品を見たいなら映画なりDVDなりで満足です。生の舞台に来ているのならその時にしか観れないものを観たいです!!)
折角なので色々前作と比較して感想を書こうと思い前記事読み直したところ、言葉を選んでいるというかツラい様子がひしひしと伝わってきてなんというか過去の私が可哀想になってきました。
2015年ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」感想はこちら
大丈夫だよ、今回のハイステとっても楽しかったよ……!ちゃんと楽しめるか心配しなくていいんだよ……!!
楽しさが文句なしで上回っているのを前提として正直にマイナス点を述べてしまいますと、今作ふたり程キャラ解釈違いで違和感があります。
前作だと縁下の、声を張ってぐいぐいと前に出てくる様子に楽しさよりもツラさを覚えてしまいましたが、今回の烏野復活編では縁下のキャラ解釈違いの相違が小さくなりました。
一度逃げ出したんだ、と日向に告白するシーンでの弱さであったり、田中西谷に段ボールを頭から突っ込まれても怒ったりせず呆れながら対応する心の広さ、他の人の台詞を奪うことはあっても前作ほどの声を張り上げない様子に「ちゃんと縁下で見れる」と内心ほっとしています。
今作のキャラ解釈違いはきっと違和感として拭えないと思うので諦めてはいますが、その引っかかりが致命傷にならないくらいに楽しかったんです烏野復活編!!
お祭りみたい!
冒頭、日向と影山のロードワークのシーン。
移りゆく景色のプロジェクションマッピングと道行く人々とのスピードの違いで日向と影山の速さを演出しているのですが、音楽とも相俟ってお祭りみたいなワクワク感がありました。
少し騒がしくて、これから何が起こるんだろう?と期待させてくれるテンポの良さ。
まだ舞台は始まったばかりなのに、このシーンで「この作品は面白いんだ」と予感させてくれます。道行く人も皆楽しそうなので観ているこちらも楽しくなってしまうんですかね!
構成
原作に沿った構成は、
- 1幕GW合宿の音駒戦
- 2幕インターハイ予選のVS常波、VS伊達工
です。
前作のように対戦校がゲスト校扱いではなくメイン校として描かれていたのでその点では非常に満足でした。
作品全体を通じてまるでびっくり箱のような驚きに溢れていてそれだけでも楽しいのに、今作の試合演出はチーム毎の色が存分に出ており、ずっと新鮮な気持ちで観劇できました。
音駒の動きに緩急をつけたコンビネーション、「繋ぐ」に相応しい見事なチームプレイと福永を中心とした華麗なアクロバティック。
「伊達の鉄壁」が誇る屈強さ、自由自在に変化する壁とパズルのようにぴったりと組み合わさったときに作り出される越えられない鉄壁。
対戦校を前に新たな試みで挑戦し、過去を乗り越えるための一歩を踏み出すために成長していく烏野。
「試合……?」となった前作ですが、今作は「試合!!」と断言できます。
また、前作に引き続きシーン毎で出番のないキャラクターがアンサンブル(合羽さん)で出てきます。
それぞれのキャラクターとしての見せ場もありつつ、アンサンブルではまた新たな一面も見れます。
ハイステでの推しキャラクターがいると、より公演に何度も通うのが絶対に楽しくなります。なりました。
好きな場面
今回のハイステ、好きなシーンがとても多かったです。
本当に心から楽しんでこれましたし目が足りませんし回数も足りてないです!
前回同様、影山のトスシーンがとても好きです。本当に綺麗なトスなんです!下手側の皆さま是非ご覧ください!!!
プロジェクションマッピングを使用したキャラクター紹介
原作絵を映し出しつつ、演じる役者さんがキャラクターを数秒で表現していきます。
学校として好きなのは伊達工。あの、だんだんだん!と迫ってくるのがとても良い!あんなの勝てない!!
キャラクターとして印象深かったのは、主人公のふたりと池尻。
影山が王様の象徴であるマントを脱ぎ棄てる動きと、日向が広げた大きな翼、役者さんと映像のシンクロが素晴らしくてプロジェクションマッピングだからこそできる魅せ方だなぁと釘付けになりました。
池尻は大取。それまでに紹介された登場人物たちから自信や誇りを感じる一方、絶え間なく文字や声が溢れて周りに流されているような、自分を探しているような池尻の紹介場面。それまでがお祭りの最中と例えるなら、池尻の紹介は祭りが終わり日常に戻った神社の静けさのようなものを感じてすごく印象的でした。
合宿所夜のシーン
敷いた布団の上で各々盛り上がる烏野メンバー(特にバボカ勢が熱い)。
盛り上がりすぎて注意されそうになったところで一斉に皆が布団の中に隠れます。修学旅行でよくある光景ですね。
隠れて終わりではなく、実は今まで布団の中にいた音駒勢とスイッチする演出に会場からどよめきが起こりました。
だって、隠れていたなんて思わないじゃないですか!
あまりにも自然なスイッチで「烏野には可愛いマネージャーがいるか否か」の議論を白熱させる山本。
再びスイッチ後の一声(誰が騒いでいたかの問いに対して烏野メンバー揃って「力でーす」には笑いますw)、その後の音駒烏野が関わりを持たないながらも舞台上で入り乱れる様子があまりにも自然で「こんな見せ方があるんだ」と感動してしまいました。
研磨に布団をめくられて姿が露わになり、笑みを堪えきれない影山が可愛かったです。
音駒と烏野の練習試合後シーン
漫画やアニメではそれぞれのやり取りが描かれていましたが、ハイステでは同時進行。マイクも入っていないので事前知識のみで舞台上のやり取りを想像するしかありません。この場面が今作で一番目が足りなくなるポイント!
田中と山本の潔子さんへの想いを通じて良き友になるやり取りが大好きだったので、声が聞こえないながらでも絆を芽生えさせているのがわかりました。昨日の敵は今日の友ですね……!
場が綺麗にまとまったのに「いつからバレーやってるんですか」と研磨に話しかけようとし、「タイミング」とスガさんに静止される影山。別シーンですが影山の「行くぞ下手くそ」の台詞が「このタイミングでそれ言う!?」とびっくりするほどの間の悪さでした。
影山くん、タイミングもう少し考えて!笑
水面の波紋
試合前、烏野スターティングメンバーがひとりずつ舞台中央に降り立つ演出に合わせて、プロジェクションマッピングで映し出された水面に波紋が広がります。
唐突に他作品でイメージしてもらうなら、劇場版ラブライブの「僕たちはひとつの光」のPVみたいな感じです。
ギャラリーに「本当に高校生かよ」「地味」等野次を飛ばされながらも烏野メンバーが堂々と水面に着地していく様子には「堕ちた強豪、飛べない烏」を全く感じませんでした。
この波紋演出を筆頭に、今作のプロジェクションマッピングと役者さんのシンクロ率がとても好みです!
気になりキャスト
何人かにキャラ解釈違いがあっても、ただひとりの推しがいれば微々たるものになるのだと学びました。
黒尾鉄朗役近藤頌利さん
とても好みの黒尾鉄朗でした……ありがとうございます……!
この黒尾、「ぶっひゃっひゃっひゃ」なんて笑わなそうです!厨二病を拗らせつつも色気があるのが大層素敵でした。
研磨に対しての過保護な黒尾、大地さんに対して胡散臭い笑顔で対応する黒尾、音駒チームキャプテンとしての頼れる黒尾、日向を「チビちゃん」とからかう意地の悪い黒尾、猫又監督の台詞を高校生らしからぬ説得力で代弁する黒尾……みんな違ってみんな良い黒尾でした。
あとハイステ黒尾のどこに惹かれたのかと考えると、ぱっと見でわかるバレー経験者オーラでしょうか。
観劇後にお調べしたら近藤さん、バレー経験者でいらっしゃるんですね。黒尾と同じMBだそうで!
下手側で何度かスパイク跳んでますがジャンプ力が違いますもの!経験者の圧倒的ジャンプ力!好きです!!
アンサンブル黒尾
2幕はほぼアンサンブルな黒尾、シューズの色が真っ赤で遠くから見ても特徴的なのですぐに見つけることができます。
伊達工の「DA!TE!」しているときの黒尾が音駒男子バレー部キャプテンのときには見せなかったはしゃぎようというか、チャラさも垣間見えて新たな一面にトキメキました。私2回目観劇時ほぼ黒尾しか観てないです楽しいです!!
マイベストオブ黒尾
個人的に是非観てほしい黒尾鉄朗は、試合中にシューズ底を手のひらで拭きとる黒尾!です!
思い出すだけでも「うっわああああすき!!!!!!」となります。わかりますかこの仕草!!!?
他の体育館球技はわかりませんが、バレーは動いている内に体育館の埃がシューズ底について滑りやすくなるため、埃を手で拭きとるんですよね。
この仕草がバレー選手の好きな仕草のトップスリーに食い込むくらいに好きなので、自然とやってくれた黒尾がさいっっっっっこうでした!!!!!!!
岩手公演大千秋楽の黒尾鉄朗
音駒が烏野にきて最初の挨拶のシーン。
研磨を見つけてはしゃぐ日向を黒尾が静止し、「“背骨”で“脳”で“心臓”です」の決め台詞を言いつつジャージを脱いで肩にかけるところ、うっかりジャージを落としてしまいました。
そのジャージを大地さんが拾い、返すのかと思いきやそのまま握手(「あ、コイツ食えないタイプの奴だ」)をして、ジャージを軽く叩いて埃を払ってから黒尾の肩に後ろからかけてあげてました。
あ、ありがとうございます……!!!?!!?
その後夜久さんから突っ込まれていたのも含めて、私岩手まで遠征した価値あったなと実感しました。私はこのシーンを見るために500キロ日帰りしたんですね……!?
孤爪研磨役永田崇人さん
とても可愛い研磨でした……可愛い……。
日向と研磨の邂逅シーン、心身共に距離をつめてくる日向に対し、始め研磨は隣に座られてもひとつずれて距離を保っていましたが、日向の太陽みたいな明るさに警戒を解き、ふたりの距離感が徐々に近付いていくのが堪らなく好きでした。
日向よりただの暇潰しのゲームに目を向けていた研磨が、ほんの少しの間でも日向と話して心を許し、音駒メンバーが迎えにきたときには「またね、翔陽」と首を傾げつつ笑うんですよ……!
アニメでは無気力>可愛さで視聴していたハイキュー、舞台では無気力<可愛さでした。
ちょっとした首を傾げる仕草や、犬岡(後輩)に対する声色の優しさ、黒尾へ見せる隙等、決して狙ってはいない可愛さなんですよね!
研磨推しの友人には「研磨可愛いから覚悟したほうがいいよ」と事前に予告しましたが、幕間では「ヤバい」しか発することができなくなっていました。研磨ヤバい、ヤバい可愛い。
ハイステ孤爪研磨を想像
自分から友達を作ることができなかった研磨を変えたのは、幼馴染である黒尾が研磨を切り捨てずずっと一緒にいたからなのかなぁ、と。
黒尾は研磨以外でも交遊関係の選択肢は数多くあったはずなのに、研磨と疎遠になることはありませんでした。
黒尾が研磨と真っ直ぐ向き合ったことで研磨は人を信頼することを覚え、人とのコミュニケーションができるようになったのではないでしょうか。
音駒高校に入り、バレー部に入部した研磨。
仲間に囲まれ、しかしバレーには一歩引いて取り組む中で、2年の5月、日向と出会います。
バレーに面白さを感じなかった研磨が、凄まじい速度で成長する真っ直ぐな日向に出会ったことで、日向への興味と同じく日向と対戦する楽しみを抱きます。
上手いこと文章にできないのが本当にもどかしいのですが、研磨は日向を人間的に信頼して、信頼する日向が想像を超えて新しさを与えてくれることに面白さを感じ、きっと何か夢中になれることに出会わせてくれるだろうという期待感を抱いているというか……。「翔陽はいつも新しいね」、この一言でまとまりました!!
ハイステ研磨の周囲の影響を受けた成り立ちを想像し、舞台上で出会う日向との出会いにより新たな感情を芽生えさせた今後の研磨の成長に期待せざるを得ません。
まとめ
岩手大千秋楽でジャージと一緒に私の心も黒尾に落ちたハイステ烏野復活編。
ずっとオペラグラスで眺めていたい推しキャラができたことが一番ですが、前回「苦手かな……」と感じたプロジェクションマッピングを楽しんで観れたこと、キャラクターひとりひとりの見せ場があること、ハイテンポでワクワクしてしまう音楽が「楽しい!!」で終われた要因だったのかな、と。
最近は観劇に対する楽しみよりも「本当に楽しめるかな」という不安が勝ってしまう時期に陥っていましたが、このハイステは私の観劇への喜びも復活させてくれました。
ありがとう烏野!ありがとう伊達工!ありがとう池尻!ありがとう青城!ありがとう成人組!ありがとう音駒!
そしてありがとう黒尾鉄朗!!お誕生日おめでとう!!11月17日の今日にカンパイ!!!
あと1回観に行ける予定なので、存分にハイステ世界を楽しんでこようと思います!!
公演概要
ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」”烏野、復活!”
2016年10月28日(金)~11月6日(日)@東京:AiiA 2.5 Theater Tokyo
2016年11月12日(土)~13日(日)@岩手:田園ホール 矢巾町文化会館
2016年11月17日(木)~20日(日)@福岡:キャナルシティ劇場
2016年11月24日(木)~27日(日)@大阪:梅田芸術劇場 メインホール
2016年12月1日(木)~4日(日)@東京凱旋:AiiA 2.5 Theater Tokyo
スタッフ
原作:古舘春一「ハイキュー!!」(集英社「週刊少年ジャンプ」連載中)
演出:ウォーリー木下
脚本:中屋敷法仁・ウォーリー木下
キャスト
【烏野高校】
日向翔陽役:須賀健太
影山飛雄役:木村達成
月島 蛍役:小坂涼太郎
山口 忠役:三浦海里
田中龍之介役:塩田康平
西谷 夕役:橋本祥平
縁下 力役:川原一馬
澤村大地役:秋沢健太朗
菅原孝支役:猪野広樹
東峰 旭役:冨森ジャスティン
【音駒高校】
孤爪研磨役:永田崇人
黒尾鉄朗役:近藤頌利
海 信行役:武子直輝
夜久衛輔役:後藤健流
山本猛虎役:川隅美慎
福永招平役:梶原 颯
犬岡 走役:中村太郎
【伊達工業高校】
青根高伸役:新井 將
二口堅治役:木村 敦
茂庭 要役:釣本 南
鎌先靖志役:橋本全一
笹谷武仁役:松本祐一
作並浩輔役:廣野凌大
【常波高校】
池尻隼人役:松田 裕
【青葉城西高校】
及川 徹役:遊馬晃祐
岩泉 一役:小波津亜廉
【烏野高校OB】
嶋田 誠役:山口賢人
【烏野高校顧問・コーチ】
武田一鉄役:内田 滋
烏養繋心役:林 剛史
ストーリー
幼い頃に見た “小さな巨人” に魅せられ、バレーボールを始めた少年・日向翔陽。
しかし憧れの烏野高校排球部に入部した彼を待ち受けていたのは、中学最初で最後の試合で惨敗した天才プレイヤー・影山飛雄の姿だった。
最初は反目し合っていた二人だったが、様々な困難を前に少しずつ互いを認め合っていく。そして、そんな二人の姿に影響されていく部員たち。
“堕ちた強豪、飛べない烏” と揶揄されるまでになっていた烏野高校排球部が、日向・影山を中心に少しずつ変わり始めていた。そして舞台はGW。
かつての因縁のライバル、東京の古豪・音駒高校との練習試合が決まる。
< ゴミ捨て場の決戦 >と語られた伝統の一戦の行く末は!?その先に待つのはインターハイ、日向・影山にとって初の公式戦。
たった一回負けたら終わる、大勝負を前にして烏野は果たして!?ボールを落としてはいけない、持ってもいけない。
3度のボレーで攻撃へと “繋ぐ” スポーツ、バレーボール。いざ、今こそ烏野復活の時へ――!!
(公式サイトより引用)
公演公式サイトはこちら