アイアで上演された、ミュージカル「刀剣乱舞」(刀ミュ)トライアル公演の初日観劇して参りました!
お出かけで久々に鞄にラバストをつけて出かけました(あんみつちゃん)。いつもコルクボードに飾るだけではなく、たまには外に出さねば……。
以下、ネタバレありの感想、レポです。
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DMM.comさんで千秋楽の様子を独占アーカイブ放送されるそうです!これで自宅公演が捗りますね!!
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感想
思いの外刀剣乱舞でした。
ゲーム内での台詞はもちろん、BGMも審神者なら聞いたことがあるものばかり。
場面変化でのBGMで、「あっ今内番してる!」「あっ合戦場選択してる!」とゲームでどのページにいるかがすぐにイメージできてしまいます。
1幕のミュージカル、ストーリーはゲームを知らない方でもわかりやすい構成だったのですが、歌パートをもう少し……!あと一息感……!
1曲目の「刀剣乱舞」が曲名の通り刀剣乱舞の単語を連呼されるので相模国サーバの私審神者、恥ずかしいやら何やらで動揺してしまいました。
歌のレベルは、テニミュ青学が代替わりをして歌う初校歌の印象。これからに期待です。
ライブパートでは衣装がころころ変わってアイドルステージでした。
加州のソロ曲!!加州なのかなんなのか分からなかったですけどもう可愛いやらカッコいいやらでですね!?会場が赤一色に染まる光景は圧巻でした。
一旦客降りがあり、加州以外の刀剣男士が通路を通るので通路横のお座席はお得です。後方上手サブセンでしたが今剣ちゃんがファンサしてくれました。天使かな……。
また、和太鼓を使った演出があり、弁慶たちが太鼓を叩きます。
どなたか「弁慶殿ー!」コールをしていたときには順応力高すぎるね!?と声のしたほうを二度見してしまいました。
ストーリー
三条with加州清光で阿津賀志山に向かうお話。
加州を隊長として、本丸にやってきたばかりの岩融を含めた三条の5人(三日月宗近、小狐丸、石切丸、岩融、今剣)と共に阿津賀志山に向かうよう審神者に言い渡されます(声のみ)。
いざ出陣前に集まってもお茶を飲み始めるわ、肩車で現れるわ、そもそも現れない(遠くで加持祈祷の声がする)わで三条のマイペースさに不安を募らせる加州。
気を引き締め阿津賀志山に向かうと、そこには死んだはずの今剣の前主、源義経の姿。彼に仕えていた岩融の前主、武蔵坊弁慶も存在しています。
今剣は人の身を得ている今、義経公に会えたことの嬉しさから彼の元に向かおうとしますが、岩融から強く諌められます。「むずかしいことばかりいわないで」と、今剣は一人で義経公の元へ。
その時、義経公は兄である源頼朝が藤原泰衡と共謀して自分を殺す未来を歴史修正主義者に教えられ、頼朝公に詰め寄っていました。
「いざ首を落とさん!」とするところでタイミングよく現れる今剣。
今剣が「義経公はおにいさんとなかよくしたいんですよね!まずははなしあいをしませんか?」と提案し、その場は収まります。
兄弟間でお互いの胸中を明かし確執がなくなったところで、義経公は「出家するので兄上は逃げてください」と頼朝公を逃がそうとしますが、義経公の剣に宿った歴史修正主義者が義経公に剣を突き立て、彼の身体を乗っとります。
一方、今剣は仲間たち――異なる歴史を正しにきた刀剣男士たちと対峙していました。今剣は「義経公をいじめないで」と彼を守ろうとしますが時既に遅し。
仲間たちを薙ぎ倒していく異常さに今剣の好きだった義経公ではない別のナニカになっていることを察し、「あなたは義経公じゃない」と立ち向かい、戦います。
仲間達が次々と重傷を負う中、岩融と今剣の真剣必殺で義経公だった敵を倒し、大団円。
刀剣男士たち個々の感想
今作品には6人の刀剣男士が登場します。
ゲームでの印象と比較しながら、備忘録的に感想を。
三日月宗近(黒羽麻璃央さん)
このおじいちゃんボケてないぞ……!
天然なところはあるものの、すごくしっかりしているおじいちゃんでした。
歌にしてもストーリーにしても、美味しいところを全て掻っ攫っていきます。
「じじいは夜更かしが苦手でな」と床に就くと見せかけて、理性と感情の間で迷っている岩融を叱咤しにいく場面が特に好きです。
三日月と岩融のデュエット「返歌 名残月」が一番好きな楽曲。
小狐丸(北園 涼さん)
すごく知能の高そうな小狐丸でした。
よく二次創作である「主様♡主様♡」系ではない、落ち着きのある小狐丸。
微笑が似合いそうな王子様系小狐丸です。この小狐丸にお姫様抱っこをしてもらったらきっとはにかんだ笑みを向けられそうで想像だけでも不整脈になります。
ただ、今作で印象に残っているのが三日月と登場する際の畑仕事(内番衣装)と、「お姫様抱っこをしてほしいとな?」「主様はこの毛並みが良いと仰る」等ゲームの台詞や場面ばかりだったので、もう少し見せ場があっても良かったかなぁと。
ライブパートの「こんなにたくさんの主様に応援していただける♡」は可愛かったです。ありがとうございます。
石切丸(崎山つばささん)
機動力ネタがあってよかったです笑
私のトラウマのひとつ、「まだ加持祈祷が途中なんだけどなっ!」も生で聞けました。あの台詞、怒られている気分になってしまい、石切丸を近侍にできません……。
ライブパートの(確か)3つめの衣装がノースリーブで会場から黄色い悲鳴が巻き起こりましたが、その衣装の石切丸の休日のお父さん感!!
岩融がとても若くてストリートダンスが得意そうな着こなし方だったので、見比べて余計に大人っぽく見えてしまったのかもしれません。
今剣(大平峻也さん)
もう少しひらがな感が強くても良かった気がします!
一番身軽で天狗のようだったのですが、なんというか、私の中で一番違和感がある刀剣男士でした。
天真爛漫、前主思い。
私の中で今剣はもっと闇を抱えているようなイメージだったので、見た目相応の振る舞いに拍子抜けでした。
勝手なイメージで三条全員呼び捨てにしていると思っていたので、石切丸様呼びにむずむずします……!
というか、そもそも私のイメージ内今剣ちゃんが図々しいというか見た目の割に達観しすぎているのかもしれないのでは……!?
岩融(佐伯大地さん)
理想の岩融でした(後述します)。
加州清光(佐藤流司さん)
理想の加州でした(後述します)。
公演楽曲まとめ
コミックナタリーさんの記事に楽曲名があがっておりましたのでご紹介。
- 刀剣乱舞/刀剣男士6人(三日月宗近、小狐丸、石切丸、岩融、今剣、加州清光)
- 勝利の旗/刀剣男士6人
- 戦うモノの鎮魂歌―レクイエム―/刀剣男士6人
- きらきら/今剣
- 名残月/岩融
- 返歌 名残月/三日月宗近、岩融
- キミの詩/全員
上記は1幕のミュージカル楽曲ですが、ライブパートでは日替わり曲があるとのこと。
1回観劇で制覇できないじゃないですかー!通うしかないじゃないですかー!!
気になりキャスト
時間遡行軍の衣装というか、姿が本当原作のままでした……!
殺陣の多い舞台で思うのは、やられる側の身体能力が高いんですよね!今作品、アンサンブルの方が素晴らしかったです!
岩融役佐伯大地さん
1幕終わって最初にでた言葉が「武蔵坊弁慶の薙刀、尊い……!」でした。
今剣と手合わせをするシーンの薙刀捌きに見とれ、「おお。小さすぎて気づかなんだわ。」の台詞にアッパーを喰らい、今剣を肩車でKOですよね……ありがとうございます……。
右の上腕二頭筋がですね、すごく理想の上腕二頭筋でですね!
あと普段フードを被っているのに戦いの中でそのフードが落ち、髪が顕わになるギャップ?ギャップですか??わかりますかこの感じ! 最 高 で す よ ね ! ! ! !
身体だけでなく、心の器も大きい岩融でした。薙刀尊い…。
今ストーリーは今剣、そして岩融がメイン。
ゲームで阿津賀志山に二人を出陣させたときの回想がそのまま使われております。
義経公を死なせたくない今剣と、それを窘める岩融。
阿津賀志山で生きている義経公を見て喜ぶ今剣に、理性では歴史を変えることはいけないとわかっているはずなのに、今剣の笑顔を曇らせたくないという感情の間で葛藤する岩融。
三条の刀たちはどれも古く、現在のゲーム内最年少は兼さん(和泉守兼定)でしょうか。
しかし作られたのが古いからといって大人なのかと言うとそうではなく、むしろ刀剣の種別によって宿る精神の成熟差があるように感じられます。
今剣は短刀、岩融は薙刀。
太刀である三日月、小狐丸、石切丸は“大人”でしたが、岩融は大人でもなく、子供でもない、“青年”なのかなぁ、と。
だからこそ、どちらが正しいのかがわかっていながらも葛藤をしてしまうんですよね。悩め励め青少年……!
今剣を窘める大人らしさと今剣と全力で遊ぶ子供らしさを併せ持つあの大きな薙刀……沼るなというのが無理な話ですよ……!
佐伯さん岩融の好きなところ
キャラビジュを見たときから「これ岩融にハマりそう」と思いながら観劇に臨み、まぁ見事にハマりましたよね。
- 上腕二頭筋
- フードを外したときのギャップ
- 「がっはっは!」と豪快に笑うところからも感じられる器の大きさ
- 胡坐に今剣を乗せたときの嬉しそうな表情
- 短刀と遊ぶときに見せる無邪気な笑顔
- 敵と対峙したときに見せる射抜くような眼光
- 葛藤する“人”らしさ
- 今剣に「お前は悪くないぞ」と語りかけ、受け止める優しさ
挙げたら切りがなかったので自制してます。
検非違使実装前、現在ではイベントで岩融大活躍の本丸たくさんあるはずなので、そんな審神者さんは是非この岩融を観てください……!見事に沼りますから!本当に!!
私の理想の岩融
五虎退とか秋田藤四郎に「可愛いねー、よし万屋に行くついでにアイスを買ってあげよう」とか言ってると骨喰とか鯰尾は「いいな、でも僕はもうお兄さんだから買ってほしいとか言えない」って顔するのに岩融さん「おっ、俺にもワンチャンあるかな」って顔する
— もりなが@石切丸担 (@mmk00) 2015, 1月 29
こちらのツイートが私の理想とする岩融そのままなんですけど、こんな感じの岩融でした……!好き……!
加州清光役佐藤流司さん
ゲームでの高めの声に慣れている一方で流司さんの声は低いように記憶していたので「ちゃんと加州に見えるかな……」と楽しみよりも不安が勝っていたのですが、流石でした。流石流司さん。
主の前で可愛くしている加州清光がイメージ通りの加州清光……!
編成を審神者から言い渡されるということは近侍なんでしょうね。
肉眼でも確認できるほどのチークばっちり具合、「これからデートなの♡」と言われても違和感なしです。
何より、主と話しているときの表情が恋する乙女でしたからね……嬉しくて唇がニヤけるのを隠し堪えている表情が印象的でした。
だからといって「主♡主♡」しているのではなく、「あんたの言うことだからね」とまるで駄目な彼氏を持つ彼女のような言いよう……!可愛いよ大事にするよ清光……!
流石なのはこの加州、可愛いだけではないんですよね!!
阿津賀志山で三条を率いる隊長として、軽傷では撤退せずに応戦することを選びましたが、結果、今剣が負傷。
「何故撤退しなかったのか」と責める石切丸に、「刀が折れても大将が倒れても戦う、それが新撰組の刀だ!」と反論する場面。
可愛くして捨てられないための努力を惜しまないだけではなく、そもそも彼は刀の付喪神、刀剣男士なんだなと再認識しました。
可愛いだけでなく男らしさ、仲間思いの気持ち、刀としてのプライド。
理想の加州過ぎてどうしようかと思いました。これで安定が本公演にきたら私まともでいられる自信がありません。
編成時に気心を知れたやつを、と真っ先に大和守安定の名前を聞けたので私はそれだけでもう胸いっぱいです。新撰組公演を全力で待ちます。
今剣考察
刀剣乱舞のサービスが開始されたときに今剣の歴史が話題になったのを覚えています。
そしてこのトライアル公演も冒頭、今剣のシーンから幕が上がります。
プライドを守った守り刀、今剣
今剣は『義経記』で源義経が自刃した際に用いられた刀剣とされています。
邪気を祓い、主人を守るための刀とされながらも、今剣は自らの主の命を絶つ用途としての役割を果たしました。
「今剣は守り刀として主人のプライドを守ったのだ」、今剣の歴史をネットで調べてみると、こんな意見を目にします。
しかし今剣はそれで満足だったのか、と考えると、とてもそうは思えないのです。
人の身を得て手にするのは自責の念か
今作品の今剣は、元主である義経公を心の底から慕っていました。
岩融に怒られても言いつけを守らず、たった一人で義経公の元へ行ってしまったり。歴史改変を正すために義経公を倒さんとする刀剣男士たちに一人で立ち向かったり。
今剣は今度こそ、義経公の守り刀として彼を守ろうとする、強い意志で戦っていました。
何故そこまでして義経公を守ろうとしたのでしょうか。
今剣が義経公を慕っていたから?義経公の守り刀だから?
勿論その理由もあります。しかし決定的な点として挙げるのは、「義経公を殺したのは誰か」。今剣自身です。
「刀であった頃は考えることもなく、ただ主の思うままに使われていればよかった。」
結果、義経公は今剣を用いての自刃。
その言葉は今剣にとって、自分の刃が義経公を殺したことへの免罪符にはできません。
消えない過去を、笑って終われる未来へ繋げて
今剣は許してほしかったのではないでしょうか。
「義経公をいじめないで」と切に訴えて小さな刀を振るう今剣が、岩融に「お前は悪くないのだ」と語りかけられる場面。
ただの刀であった頃、意思など関係なく振るわれるままで良かった頃。
意思などなくても大好きな義経公の命を奪ったのは今剣自身。
「まもりがたなとしてあなたのプライドをまもったかもしれない、でもぼくはあなたにいきてほしかった」
今剣の気持ちをそんな風に解釈してしまい、岩融に抱きしめてもらう場面を思い出すとやりきれないのです。
守れなかった守り刀が同じ過ちを繰り返さないように今度こそ、と奮闘する、ミュージカル「刀剣乱舞」トライアル公演。
歴史を変えることはできない、変えてはいけないし、それが今や未来に繋がっているとしても過去のわだかまりをなかったことにはできません。
だからせめて、過去を消すことはできなくても、繋がる未来に悔やむことがないように。
それこそ「死ななきゃ安い!」とまではいきませんが、生きていれば何かしらの良くも悪くも変化があるはずなのです。
振り返って後悔のない未来にできるか、あそこで命を絶っておけばと絶望するのか。
最終的に「色々あったけど生きててよかったなぁ」といえることができれば、それがいい生き方なのではないのでしょうか。
人の身を得た今剣に、幸多からんことを。
最期を笑って迎えられるよう、うちの本丸ではたっぷりと愛を注いでいく所存です。
公演概要
ミュージカル「刀剣乱舞」トライアル公演
2015年10月30日(金)~11月8日(日)@東京:AiiA 2.5 Theater Tokyo
スタッフ
原案:「刀剣乱舞-ONLINE-」より (DMMゲームズ/Nitroplus)
演出:茅野イサム
脚本:御笠ノ忠次
振付:本山新之助
キャスト
三日月宗近役:黒羽麻璃央
小狐丸役:北園 涼
石切丸役:崎山つばさ
岩融役:佐伯大地
今剣役:大平峻也
加州清光役:佐藤流司
武蔵坊弁慶役:田中しげ美
源義経役:荒木健太朗
源頼朝役:奥野正明
藤原泰衡役:加古臨王
市川裕介 / 伊与田良彦 / 岩崎孝平 / 岩崎大輔 / 大西宏典 /
大野涼太 / 片山浩憲 / 鹿糠友和 / 神山吉史 / 笹原英作 /
鈴木祐大 / 伊達康浩 / 那須野智弘 / 橋渡竜馬 / 花園將紀 /
前堂友昭 / 村瀬文宣 / 百瀬 礼 / 山井克馬 / 吉田雄希
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