天王洲銀河劇場で上演の、小越くん主演2015年版ロック☆オペラ『サイケデリック・ペイン』を観劇してきました。
2012年の初演は観ていないので、今回が初サイペ。ヘドバンを初めて生で見ました。
※以下、ネタバレ含みます!
感想
すごい……何が何だかまるで分からない………!
「厨二乙www」→「ふぁっ!!?!?」→「いぇーい!!!!」までの感情の移り変わりを体感してきました。アンコールのライブパートを除き、全てに於いて頭にクエスチョンマーク浮かべましたが、“考えるよりも感じろ”で楽しめます。
観るというよりも魅る舞台。
「どうしてこうなった」のSSが頭に終始付きまといますが、アンコールのライブが全て吹き飛ばしてくれました。大切なことはみんなロックが教えてくれます。
楽曲も「お願い抱いて」「水金地火木土天海」と、パンチの効いたものが多く、耳に残るものが多いです。思わず口ずさんでしまうメロディ。
舞台セットはくるくる回って場面が移り変わり、心地いい目まぐるしさでした。
大ハズレした私の解釈
思いついたときの感動を忘れたくなかったので一応記しておきます\(^o^)/
救世主(メシア)である詩音がクラッシュに斬られ、絶命寸前のところで実は魁人が真の救世主だったと名乗り出るシーン。
魁人の父はロックの道に生きることを失敗し、妻に逃げられ、子供である魁人を遺しビルの屋上から飛び降りて自殺。
自殺する前に魁人が救世主であることを伝えていたというのです。
では何故、ソフィとDr.鏡は、魁人を一目見たときから救世主だと気付いていながらも、その親友である詩音がまるで本物の救世主であるように扱っていたのでしょうか。
一点は、大天使ミカエル降臨を邪魔するダークネスに本物の救世主を悟らせないためでしょう。
そして、降臨儀式に必要不可欠であった『救世主(メシア)の孤独』に関係するのではないではと推測しておりました。
『救世主の孤独』、これを手に入れるために救世主自身が深い孤独を感じなければならなかったのでは?
そのために、家族を既に失っている魁人が幼少期からの親友詩音を失うことにより、より深い孤独を感じざるを得ない状況を作り出すことが目的だったのでは?
だからこそ、Dr.鏡やソフィは実際の救世主は魁人だと知っていながらも、魁人の親友詩音を救世主に仕立て上げて欺いたのでは……!詩音が死ぬところまでシナリオ通りだったとしたら……!?
自分の解釈に心中「うわあああそういうことかあああ!」と思いながら、舞台上の物語は20時10分を迎えます。
最後の審判で魁人が「ミカエルの骨」「ルシファーの爪」を床に突き刺した後、自分の胸を突き刺すのかなと思ったら父親の形見のギターヘッドから剣を引き抜いて「これが『救世主の孤独』だ!!」と。
……『救世主の孤独』あるじゃん!!
あまり救世主自身の孤独は関係なかったということでしょうか。勝手に予想しておきながら裏切られた感でいっぱいでした。
気になりキャスト
サイケデリック・ペインメンバーは勿論カッコいいですし、女優陣の歌唱力と演技力にも引き込まれます。
詩音役小越勇輝くん
小越くんの新しい境地を見ました。凄いの一言。
やっぱり私にとってテニミュの越前リョーマイメージが強かった小越くんですが、そのイメージを重ねることなく観劇できました。
「ロックのボーカルって大丈夫かしら……」と観劇前にいらぬ心配をしていましたが杞憂に終わりました。
すごく今時の若者風で、でも世界を救うなんて厨二感も溢れ出ていてまさに新境地。
小越くんのお口から品のない言葉が飛び出すなんてそれだけで心鷲掴まれてしまいます。
特にですね、おごたんさんに「お前らビッチの~」と煽られるのが堪らなく興奮しました。踏んで!!
ただ、ひとつ気になったのは、演技にほんの少しわざとらしさを感じるかな……と、ふとした瞬間に違和感を覚えました。
棒演技等では決してないのですが、舞台上の演技なんだなと感じてしまったんですよね。
丁寧に演じるがゆえに不自然というか。演技により自然さが表れれば更に素晴らしくなりそうです。上から目線のようで大変心苦しいのですが、自分メモに。
レディー・パンドラ/ミツコ役玉置成実さん
ダークネスのお姉さま……!あの鞭で叩かれたい……!
パンドラ様の衣装がまず視覚的にどストライクで、「♪ねぇキミ、そこのキミ、悪いことしたくな~い?」の歌で落とされました。パンドラ様のためなら何でもこなしますよ!!
特に私的パンドラ様オススメシーンは「♪悪いことしたくな~い?」の曲中、上手から下手に移動する時に、大人っぽい色気のパンドラ様が数秒だけ少女のような笑い方をしていたところ。最高にキます。
丁度そのときだけオペラグラスを膝に置いていて遠目でしか見れていなかった自分を殴りたい。
次点で、サイケデリック・ペインのライブ打ち上げでメンバー全員上半身で登場した後、変装したパンドラ様(ミツコ)が階段に腰掛ける詩音と攻防戦を繰り広げるシーン。
下で喋る他のメンバーの会話が全く頭に入らない程度にはガン見してました。
パンドラ様の色気にメロメロな麗次と翔太の気持ちが凄く良くわかります。
スタイルも抜群で歌も素晴らしくて、贔屓以外の選択肢が見つからないパンドラ様でした。
魁人役桜田通さん
3代目は無条件推しなので、通くんが出てきた瞬間に涙ぐみました。
歌も上手くなったね……!私未だにベスアク聞いてるよ……!
2012年版サイペの事前知識を全く仕入れずに行ったので、濡れ場には動揺しました。
シーツで全く見えませんでしたけど「!!?」ってなるじゃないですか。……そっか……いつまでも中学生じゃないものね……。
そしてこの『サイケデリック・ペイン』、主役は詩音役小越くんですが、影の主役は間違いなく通くん演じる魁人。
バンドメンバーとしての立ち位置も他のメンバーとは違うふたり。というのも、最初に詩音と魁人が二人でバンドを始めたのがキッカケ。
何より、救世主は詩音ではなく、魁人でした。
美味しいところ最後に全部掻っ攫っていった感はありますが、少し冷めていながらも詩音の心配をする魁人、ギター演奏する魁人、とても素敵でした。
神様なんていない
自分と関係のないところで勝手に救世主にされて、親友が巻き込まれて、死んでいかなくてはならない運命ってどんな気持ちなんでしょうか。
「自分だけの天使」、リナさえも実は周りが作り出した虚像を思わせるエンド(鏡博士の結婚したことない発言)。
確定ではないですが、おそらくリナはソフィのようにアンドロイドでしょう。
ソフィと違い、リナは自身が鏡博士に作り出された、人間と非なる存在であることを知らない様子でした。
この物語で一番運命に振り回されていたのは詩音ですが、一番不幸な運命だったのは魁人だと思います。
まとめ
ライブと演劇の融合という感じでとても楽しかったです。
お話は難しいというか、理解が追いつかなくて置いてきぼり気味なのですが、話を楽しむよりもパフォーマンスを楽しむ舞台。
むしろぶっ飛んでる話なので、理解できないのが当然として、理解の出来なさも楽しめます。
初日のソワレ公演を観劇してきましたが、私を含めてまだ客席が乗り切れていない印象を受けました。
アンコール、折角ビッチの大好きな曲をサイケデリック・ペインが披露してくれるので、もっとノれれば良かったなぁ……!
東京だけでなく福岡、大阪公演もあるようですので、迷っていらっしゃる方は是非一度こちらご観劇下さい!
公演概要
ロック☆オペラ『サイケデリック・ペイン』
2015年4月4日(土)~12日(日)@東京:天王洲 銀河劇場
2015年4月17日(金)~19日(日)@福岡:キャナルシティ劇場
2015年4月30日(木)~5月4日(月・祝)@大阪:梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
スタッフ
作:森雪之丞
音楽:布袋寅泰
演出:茅野イサム
キャスト
詩音役:小越勇輝
魁人役:桜田 通
麗次役:佐藤永典
準役:慎之助
翔太役:汐崎アイル
ソフィ役:七木奏音
レディー・パンドラ&ミツコ役:玉置成実
リナ役:佃井皆美
キザーラ伯爵役:冨森ジャスティン
クラッシュ役:林野健志
天野役:山岸門人
緑川玲子役:麻生かほ里
Dr.鏡役:藤木 孝
石井雅登 / 今井 稜 / 栗原功平 / 清水泰雄 / 中 智紀 / 西岡寛修 /
後藤祐香 / 島田友愛 / 徳武由布 / 中岡あゆみ / 松ヶ谷ほのか / 蘭舞ゆう
ストーリー
-どこか懐かしい近未来-
人気急上昇中のロックバンド”サイケデリック・ペイン”のヴォーカル・詩音の前に現れた謎の美女ソフィ。
自らを天使だと言うソフィは”ブレイン・スクエア”のハッキングで毎夜詩音に、「世界を救えるのはあなただけ。あなたが救世主です。」と訴える。
大天使ミカエルを復活させるための3つの鍵その最後の鍵『救世主(メシア)の孤独』を詩音が隠し持ているというのだ。
いつしかソフィの存在は、人知れず”孤独”を抱えていた詩音の心に、特別な感情を芽生えさせた。
ある日、異変に気づいた”サイケデリック・ペイン”のギター・魁人に詰め寄られ、詩音はバンドをやめると言いだす。
-信じ続けたROCK、夢に向かって歩んできた仲間たち・・・
それらを捨ててでもソフィを守る。ソフィへの思いは、”愛”に変わっていた。
救世主の宿命を背負った詩音と、そんな彼を放っておけない魁人、そしてバンドメンバーは、復活をめぐる”天使”と”悪魔”の争いに巻き込まれていく。
奇しくも”サイケデリック・ペイン”野外音楽堂でのライブ当日。
ついに全ての鍵が揃い、ステージ上で詩音はソフィへの愛を証明するために、救世主であることを受け入れようとするが・・・
(公式サイトより引用)
公演公式サイトはこちら