大河元気さんの脚本、演出処女作の『バカフキ!』初日観劇して参りました。
初日ということもあり、会場で販売しているブロマイドの一部とガチャガチャはネタバレを避けるために一幕終わりから販売する徹底振り。
パンフレット販売場所にも元気さん手書きで「始まる前から見ないでね!」的なメッセージが書かれていたようですね。
実際にこれから会場に観に行かれる方、会場に行けずともニコニコ生放送でも放送あるようですので、観劇予定の方はネタバレお気をつけくださいね!
舞台「バカフキ!」11/15 18:00公演
と言いつつ、以下、いつも通りネタバレありきの感想、レポートです。
感想
胸熱。
正直な話では、あともうひとスパイス欲しいかな……という感想です。
ひとりひとりの個性、魅力も十分ですし、アンサンブルの方の殺陣も魅入ってしまいましたし、ストーリーも少年漫画的王道展開で胸熱なのですが、どこか物足りなさがあります。
話のストーリーもまとまり方も処女作としては大変素晴らしいものでしたが、少しテンポが気になりました。
テッパ役若井おさむさんの独壇場場面がちょっとぐだぐだだったかな!と!笑
その辺りは観客の反応ありきのステージでどんどん良くなっていくのかなと思います。
出演者のファンなら楽しめる舞台
ひとりひとりの見せ場がしっかりあるので、中の人ファンなら楽しめるかと!
あとは1stテニミュファンも楽しめます。私とっても楽しんできました。
初日のゲストが中河内雅貴さんだったので、「赤也と仁王、テニミュ初代立海じゃん!」とか思ってたら初代立海トークしてくれました。
全然別の作品なのに、その当時の思い出トークを披露してくれるくらいにはとても自由な作品です。
また、加藤良輔さん演じるビーマと汐崎アイルさん演じるアベスター。
このふたりは最初に送り込まれた虎ノ穴の忍3人を救援するために送られた精鋭中の精鋭という設定。
ですがこのお二人!1stの六角メンバーじゃないですか……!
当時のチームメイトがまた別の舞台でタッグを組んで活躍するなんて……1stの六角が2006年の8月だったというのに……えっ2006年!!?
2006年の公演だったというのと、テニミュの公演が1ヶ月弱に収まるものだったことを改めて知り、大変動揺しておりますが、元チームメイトがまた仲間として他の舞台に立ってるのを見れるのは胸熱ですね!
ゲスト中河内さんとアスラを捨てた大河元気さんのトーク
役名「卑弥呼中河内」。
本部の偉い人的な役柄です。名前ひっどいですけど。
ラゴとの本題の話を終えた後に唐突に割り込むアスラ
「俺のこと、見たことねぇか?」
「……………(長い間)全然?」
「知り合いか?」
「中学の先輩だった」
ひゃあああああなんというメタ発言!!!
しかしこれはこれから始まる立海ターンの序章に過ぎませんでした。
忍なんて「イ・ヤ・デ・スー!」という卑弥呼中河内
先輩?じゃあ忍なの?という周りに対しての卑弥呼中河内(役名)。現場仕事は怪我とか痛い思いとかするのが嫌なようです。
ここでアスラ、
「嫌です嫌ですって……全国大会の地方遠征のときも『門限が嫌です』って言って怒られてたじゃねぇか!」
アスラっていうかただの元気くんwwwww
全国大会ってはっきり言ってましたからね!なんの全国大会かはお察しください!w
お前だってなぁ!と言い合い大会
中河内氏、
「カマキリダンスで有名だった八神蓮だけど、お前のカマキリダンスも大概じゃねぇか!」
リズムをとってやらざるを得ない空気に持っていき、元気くんにやらせる中河内氏。
酷いダンスに中河内氏爆笑www
あとカマキリじゃなくてこうもりですwww
この場で八神くんの名前が出ただけで感動通り越して爆笑でした。
全国大会で八神くん出なかったから実質1stの八神くんってベッドに寝てただけじゃないですか(偏見)
更にヒートアップ(笑)
大河氏曰く、
「本番で衣装取りに行くときに立ったら、お前もつられて立っちゃって、それに爆笑して次の台詞言えねーでやんの!」。
また、中河内氏、
「俺と喧嘩して影で泣いてんじゃねぇよ!」
言いけり。
メタ発言ってなんだっけ……
ともあれ、ゲスト回ではおそらく私ピンポイントに楽しめた回だったかと思います。
裏で打ち合わせしてるときに「こういうことあったよなー」「お前こんなんだったじゃん!w」とか思い出話に花咲かせたんだろうな、と思うととても嬉しくなります。
目で見えるものより、見えないところの妄想で心があったかくなりますね。
気になりキャスト
今回「単体で気になる!」というよりかは「この二人の掛け合いが好き!」となることが多かったです。
主人公ラゴ役の藤原祐規さん初めてお見かけしましたが、良い声でいらっしゃる……!というかラゴしかまともな人物いないってどういうことですか!笑
コクテン役池永亜美さん
ミュキャス含め、若手イケメン俳優大量投入でオタクほいほいと(私の中で)話題の作品ですが、私今回のお目当て池永さんなんですよね!!
決して若手俳優ほいほいされたわけじゃないですからね!!
さて、池永さんですが主人公たちの虎ノ穴と敵対する龍ノ巣の幹部。
IQ300の天才で、見た目は子供。ガキと言われると怒ります。
頭にヤクルトの容器を乗せちゃってるようなどこか奇抜なファッションセンス。片方出ているシャツが気になります。
あどけなくて無邪気な感じがとても可愛かったです。あの笑い方が好き。可愛いです。
見た目は少年!頭脳はIQ300!でも実は……
盛大なネタバレですが、このコクテン、少年として立ち回ってますが、実は大人の女性。
最初、「コクテンは女の子?男の子?」となりがちですが、確か二幕頭かどこかで男扱いされてたんですよね。
それで男で立ち回っていると確信が持てましたが、それなら「サラシかなにか巻かなくて大丈夫かな……」といらぬ心配をしてしまいました。
今回この舞台を観に行くにあたり予期せぬところで「コクテンが女性」という情報を掴んでしまっていたので、私は初めから「コクテン女性!」という目線で見てましたが、初見の方に“コクテンは少年”だと思ってもらうために胸は潰したほうがより観客を騙せる気がします。
実際、コクテンはただ無頓着なだけで、「相手を騙してやろう!」なんて思ってないでしょうけれども!笑
池永さん自身のスタイルがいいから……スタイルがいいって罪ですね……。
ビーマ役加藤良輔さん
シャモンを演じた川隅美慎さんがカッコよかったなぁ、と思いを馳せているところで唐突に良輔さんが脳内で邪魔に入るんです!入ってくるんです!!
演技がどうこうじゃなくてインパクトに全部持ってかれます。ずるい。
他のキャラクターに個性がないわけではないのですが、ビーマの個性が強すぎます。夢に出てきそう。
まだ正体がわからない、フードを被った状態で声から既にアイルさんと良輔さんだということは察しがついておりましたが、まさかあのレッド、ブルーに続くバカだとは……
よりにもよってピンクだとは……そこはグリーンとかさ……ゴールドいるならシルバーでもいいのにどうしてピンクにしちゃうかな!笑
お色気の術が全然色気なくてびっくりしました。バティは正統派の悪の美人幹部の色気ですが、主人公サイドの色気は悪酔いしそう。
王道でいくなら敵サイドが美人のアブナイ雰囲気、味方サイドは色気はないけど爽やかな可愛さですかね。
割と他が王道パターンの展開だっただけに、道の外し方に笑いました。
道の外し方というか良輔さんに笑いました。出てくるだけでも客席笑ってましたからね!!
新しい第一歩を踏み出した演出家と共に
大河元気さんを初めて知り、初めて舞台で観たのは2006年冬のテニミュでした。
それから約8年。
大河さんの全ての舞台を観てきたわけではありませんが、沢山の作品に出演して、沢山の経験や繋がりを構築してきたのだと思います。
その経験や繋がりを新しいステップへと踏み出す第一歩にした、今作品『バカフキ!』ではないのかなと。
アニメやゲームが好きで、自分でも誰かが楽しむ作品を作りたいと思っていたのでしょうか。
その夢があったのなら、「バカフキ!」は夢の形なのでしょうか。
大河さんの夢に、これまで大河さんと関わってきた人たちが全力で応え、「いい作品を作りたい」と練習を積み重ねてきたのでしょうか。
幸せだ。幸せだ。
友達であり、役者であり、演出家であり、脚本家である大河元気くんと共にいれることが。
— 川隅美慎 (@BISHIN_KAWASUMI) 2014, 11月 13
初めて演出、脚本に挑む大河さんと共に素晴らしい作品を作って行こうとしていく共演者の姿に胸が熱くなります。
作品の裏方から役者、物販のラバーストラップまで幅広く大河さんが関わる今作品。
共演者が成功させたいと思うように、観劇する側も成功を願う作品だと思います。
長く舞台に立った大河元気さんの新しい道の第一歩、実りの多いものになりますように。
バカの風が吹きまくる舞台になりますように!
公演概要
『バカフキ!』
2014年11月13日(木)~16日(日)@東京:全労済ホール スペース・ゼロ
スタッフ
脚本・演出:大河元気
キャスト
藤原祐規 / 大河元気 / 植田圭輔 / 汐崎アイル / 加藤良輔 / 若井おさむ
川隅美慎 / 新良エツ子 / 池永亜美 / 和泉宗兵
田代哲哉 / 堀龍也 / 菅あやか / 松村凌太郎
東慶介 / 浦家賢士 / 久田悠貴 / 村井隆利
【日替わりゲスト】
中河内雅貴 / 矢尾一樹 / 阿澄佳奈 / 根本正勝
ストーリー
陽出ずる国【大和國(やまとのくに)】。
この国をわかつ二つの勢力による戦いは、すでに500年も続いていた。
東の国【龍ノ巣(りゅうのす)】と、西の国【虎ノ穴(とらのあな)】。
虎ノ穴は、龍ノ巣がこの長きにわたる戦を終わらせる程の兵器を開発したという情報を入手!!虎の穴の隠密、黒の忍【ラゴ】は、敵地である龍ノ巣の研究所に
赤の忍【アスラ】、青の忍【キャラケン】と共に極秘で潜入。“研究所の構造や廃棄物、警備態勢を見る限り、
ここでその新兵器が開発されているのは間違いないようだ。
まだ実体は掴めていないが、調査を続けることによりその正体も明らかになるだろう。
ただ、問題がひとつ。それは我々が今…………捕まっていることだ。“「なぜ見つかった?」
「派手だからだ!なんだその色!?忍べ!」はたして虎ノ穴の忍は、任務を遂行することが出来るのか?!
(公式サイトより引用)
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